自制心とは、自分自身の感情や欲望などをうまく抑えたりコントロールしたりする気持ちや精神力のこと。勉強や仕事、生活面などで自分をコントロールできる能力のことを言います。
そのため、自制心を上手く使うことで自分の生活レベルが上がることもあるでしょう。今回は自制心がある人の特徴や、自制心の鍛え方について紹介していきます。
Contents
自制心(我慢する力)
自制心が人生の成功に与える影響について指摘したのが、コロンビア大学のウォルター・ミチェル教授です。
彼が1980年代に実施した「マシュマロ実験」はあまりにも有名だ。ミチェル教授は、当時勤務していたスタンフォード大学内の保育園で、186人の4歳児にマシュマロを差し出し、「食べてもいいけれども、大人が部屋に戻ってくるまで我慢できれば2つにしてあげます」といって大人は部屋を退出する。そして15分後に大人が部屋に戻ってくるまで待てるのかどうか―非常に単純なこの事実で、「自制心」を計測したのである。186人の被験者のうち、 15分間我慢して2つのマシュマロを手に入れられた子どもは全体の約3分の1にとどまった。
しかし、驚くべきはこの先の調査が明らかにしたことだ。2つめのマシュマロを手に入れた子どもは、手に入れなかった子どもに比べて、後の学力や収入、健康状態までもがよかったし、長期的な目標を設定し、それを追求し、達成することに喜びを感じるような聡明で自立した大人になっていることが分かったのである。出典:「マシュマロ実験」より
自制心の強い人の特徴
健康である
自制心の強い人は、「喫煙習慣の抑制」ができており、「食べすぎ飲みすぎをしない」です。健康管理をきちんとできるのが、自制心の強い人の共通点です。その結果健康で長寿です。
お金の管理をきちんとしている
自制心の強い人にある共通点として、「お金の使い方が上手である」ということが挙げられます。自制心の強い人は、金銭面でもセルフコントロールがしっかりできますので、浪費をするということはありえません。
ギャンブルが一番自制心が強いか強くないかわかると思いますが、セルフコントロールがきちんとできるため、基本的にギャンブルはしませんが、ギャンブルで損をしても、遊興費の中できちんと治める事の出来る人が、自制心が強い人です。
投資での成功のカギは「自制心」にあるといっても過言ではありません。
お酒を適度な量でストップでき酒に呑まれることがない
お酒の飲み方もまた、自制心を測ることのできる指標のひとつです。これはアルコールに強いというわけではなく、美味しいお酒をもっと飲みたいという欲望を自制できる強い意志を持っているからです。
人は飲み会などの楽しい話で、少しお酒が入って気分がよくなると余計に自制心を失いがちですが、こういった場面こそ、自制心のある人は、自分で自分を抑制するという判断ができる程度までのお酒の量でストップをかける事ができるのです。
自制心を鍛える3つのポイントとは
自制心とは、ちょっとしたことを心がけていくだけで身につけることができる能力です。自制心を鍛える方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
毎日の行動予定を決める
自分の欲望を抑えられなくなる原因のひとつには、膨大な選択肢が目の前にあるときです。自制心をつけたいのであれば最初から選択肢を減らしてしまえば良いのです。
毎朝○時に起きて○時に朝ごはんを食べて、○時に家を出て・・・。これらのことができていると自分が次に何をするか、こういった事が決まっていれば、行動の選択肢を減らすことができます。これにより自然と自制心が身についていき生活リズムが生まれていきます。
食事にメリハリをつける
人間の3大欲求である食欲をコントロールするのはなかなか至難の技です。食欲をなくすことは不可能で、我慢することも難しいです。
ダイエットの必要はなく、あくまで必要量は摂取し、それ以外食べないようにするだけで、我慢する心が身に付きます。
迷ったときには一旦保留
あなたが自制心を失うとき、それは短絡的な考えに走り、落ち着いて考えてみたら絶対しないことをしてしまいます。
いきなり何か考えついて、やるかやらないか迷ったときには一旦そのことを考えることをやめて、保留にしましょう。
例えば買い物で、「買うか」「買わないか」迷った時、緊急性を要するモノでない場合は必ず一度家に帰って「本当に必要なモノなのかどうか」考え直す癖をつけてください。
そうすれば客観的に物事を見ることができますし、自制心を取り戻すことができます。家に返って落ち着いて考えると、「ま、なくてもいいよね」みたいなケースが多いです。一旦落ち着いて考えてみて、それでも必要!と思ってから購入しましょう。
自制心を高めて成功に近づく2つの方法と注意すべき1つのポイント
高学歴、高収入、高資産、健康長寿・・・。それらすべてを手に入れる人の唯一の条件とは、「自制心」であるとも言われています。自制心を鍛える3つのポイントをお伝えしましたが、実は自制心を身につける上で知っておかなくてはならないことがひとつだけあります。
我慢しすぎない
実は自制心をつけるために最も大事なことは、我慢しすぎない・制約しすぎないことです。
人間の我慢や自制心には、自我消耗という概念があり、酵素と同じで、使うことにより消耗するというものです。
すなわち余り必要としない事に自制心を使うことで、自制資源が減少しより魅力的なものを我慢させることにより、自制心を機能させる認知的資源が消耗し、その限界を越したときは、タカが外れて再び悪癖に向かうというものです。
ダイエットのリバウンド、節約のリバウンドの衝動買いなどがわかりやすい例です。何もかも我慢しているといつかストレスが爆発する!といった印象でしょうか。
成功に近づく方法①
自制心が強い人というのは、それは周りからの見方で、本人にとっては当たり前のことになっていることがよくあります。
早寝早起きがキッチリできる人を「自制心が強い人だね」といったとしても、本人は「自制心」なんてことは思っていません。習慣化されてるため、我慢もしていないということもよくあります。
3食規則正しく食べる人も、「自制」して規則正しく食べてるわけでなく、3食決まった時間に食べるのが習慣化しているだけ。
自制心を鍛えなきゃ!とずっと頭の中にあると、いつまでも努力をしなければいけない状況に陥ってしまい、すぐにストレスがたまります。
逆に「必要性」を意識することで、無理やり我慢を続けるのではなく、行動が習慣化するところにもっていければ、挫折もなく、ストレスもなくなるということです。
成功に近づく方法②
達成したい目的があること。そして誘惑に耐え、目的を達成した経験があることです。なぜ自制したいのかを考えて明確にすることは必要不可欠です。単純に「我慢するだけ」では人はなかなか長続きしません。
また、努力や忍耐によって手に入れたものがあるという成功体験は、非常に重要で、他のことでも応用できます。成功体験があるかないかで、挫折率が比べものにならないほど変わってくるのです。もう少しで達成できるという感覚が自制心を強くします。
必要性を意識すること、目的の明確化してそれによる小さいな成功体験を積み重ねること。この2つを実行することで、「自制心」を高め人生の成功に近づくことができるのです。
まとめ
高学歴、高収入、高資産、健康長寿を全て手に入れる人の唯一の条件が「自制心」と言われています。
自分は自制心が弱いなと思ったら、自制心はちょっとした心がけで鍛えることができます。
- 毎日の行動予定を決める
- 食事にメリハリをつける
- 迷ったときには一旦保留
そして、自制心をつけるために最も大事なことは、我慢しすぎない・制約しすぎないことです。
必要性を意識すること、目的の明確化してそれによる小さいな成功体験を積み重ねること。この2つを実行することで、我慢しすぎず、「自制心」を高め人生の成功に近づくことができるのです。
いっしょにがんばりましょう。