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奨学金が返せないとどうなる?返済できないと自己破産も!?借りる前に知っておくべきこととは?

投稿日:2017-08-27 更新日:

日本学生支援機構が昨年発表した「平成26年度学生生活調査」の結果によると、日本学生支援機構や大学等の奨学金を受給している学生の割合は、前回調査と比べて全区分で減少しているものの、大学生の約5割が奨学金を利用しています。

約半数の大学生が奨学金を利用している現状がある中、本来、奨学金は社会人になってから返済するものですが、返済しきれない人が急増しており、自己破産に追い込まれるケースが、1万件に上っています。

社会問題にもなっている奨学金破産。奨学金が返せないと「自己破産」に追い込まれるケースも。本来は親も子も奨学金を借りる前に知っておくべきことですが、親も正しい認識がないケースもあるようです。奨学金について今一度確認しておきましょう。

奨学金の現実とは

現在、日本学生支援機構(日本育英会の後身)の奨学金は、すべて貸与型。2012年には大学生の52.5%が奨学金を利用しています。20年前の21.2%から比べると急増していることがわかります。大半が利子付き。月12万円まで借りられることもあり、卒業時に借金が数百万円という例も珍しくないのが現実です。

奨学金を利用している家庭の年間平均収入額は、「大学生」の家庭が824万円(前回比1.5%増)。家庭の年収区分別奨学金受給者(大学生)の割合を見ると、受給率が最も高いのは「年収500万円~600万円」(12.7%)の世帯。「年収200万円未満」の家庭の受給率は8.2%、「年収1,000万円以上」の受給率は11.0%という結果。

「年収200万円未満」の家庭での受給率が少ないのは、奨学金を借りても教育資金が足りないうえ、返すすべもないから借りないという現状もあるようで、本当に奨学金が必要な家庭が恩恵を被れていないというのが現実のようです。

奨学金が返済できないとどうなる?

奨学金が返済できない背景とは

多くの方が利用する日本学生支援機構の奨学金は、奨学金とは名ばかりで、その実体はローンです。月5万円を借りれば、大学4年間で240万円の借金を背負うことになります。

奨学金は多額の借金であり、簡単に返せる訳ではありません。就職の問題、健康上の問題、結婚・子供の問題などで、収入が減ったり、支出が増えたりすると、返したくても返せない状況に陥り、たちまち滞納してしまいます。

独立行政法人日本学生支援機構が平成25年12月に行った調査では延滞者が334,000人ほどと、決して少なくない数字です。ここ数年、延滞している人の数は横ばいですが、返されていない金額は年々増加傾向にあります。

奨学金の利用総額と返済の現実

奨学金を利用している人たちの返済総額の平均は288万円だといわれていますが、無利息で毎月1万5千円の返済を行っても完済までに16年かかる計算です。また、奨学金利用者の中には奨学金が予め免除されている人もいますが、免除者を除くと返済総額の平均は324万円にもなります。

大学卒業後に家庭を持った際にも奨学金の返済が生活を圧迫する要因になっているケースも少なくありません。

奨学金が返済できない場合の流れ

奨学金の返済を滞納した場合の基本的な流れは、銀行や消費者金融のカードローンなどと同じです。返済しないままでいると、最終的には強制執行で財産や給料が差し押さえられてしまいます。

「奨学金」という名前からか、多少返済が遅れても大丈夫だろうと考えている人もいますが、奨学金も通常の借金と同じ扱いです。奨学金の返済が遅れると次のような流れになります。

  1. 電話がかかってきたり、督促状が届く
    「返還金を延滞すると、本人、連帯保証人、保証人に対して、文書と同時に電話による督促を行うこととしております。」督促は本人だけの問題ではありません。
  2. 3ヶ月滞納が続くと信用情報機関に情報が登録
  3. 一括払いを求める「支払督促」の申し立て
    滞納が6ヶ月〜9ヶ月になると法的措置が取られます。
  4. 強制執行
    財産没収や給与差押えなどで強制的に返還金が徴収されます。

また、期日までに返還されないと年5%の延滞金が課せられます。

奨学金を返せないときに利用すべき救済処置

日本学生支援機構の奨学金は、返還が難しくなった時に次のような救済措置を用意しています。

  • 減額返還制度:一定期間、「1回当たりの返還額を2分の1に減額」して返還期間を延長する制度。
  • 返還期限猶予:一定期間返還期限を延期する制度。通算10年まで。

どちらも奨学金の支払額が減額されるものではなく、あくまでも、返還期限を延長したり毎月の返還額を減らすことで支払いやすくするための制度ですが、払えないからといって絶対に放置せず、早目の相談が必須です。

「自己破産したら返さなくていい」とは限らない

返済猶予制度や減額制度を利用できない場合や、利用してしまって以降は法的な手段を選択するしかありません。方法として「任意整理」、「個人再生」、「自己破産」の3つがあります。

自己破産をすれば、奨学金という借金をゼロにすることが可能であるかのように、安易に自己破産を推奨しているかのような文言もみられますが、安易な利用はするべきではありません。

自己破産の条件とは

破産をするためには、借金の支払いが「今」出来ておらず、「今後」もできる見通しがないという条件が必要です(「支払不能」)。「今後」というのがポイントです。

そして、99万円を超える財産は手放す必要があります。めぼしい財産がない場合は問題ありませんが、土地等を相続していたり、マイホームを購入したりしている場合は要注意です。

さらに、借金が返せなくなった事情に酌むべきものがない場合、裁判所が免責してくれないことがあります(免責不許可事由)。収入を、一切借金の返済に充てず、自分の趣味につぎ込んだ挙句返せなくなったような場合です。自己破産をしたとしても免責を受けなければ借金が0円にはならないということです。

※免責とは裁判所が「借金の返済が不可能である」と認めるということです。

人生を左右することも

奨学金は、普通、家族が連帯保証人になります。本人が払わない場合、連帯保証人が本人に代わって奨学金を返さなければなりません。

そして、本人が破産しても、連帯保証人の責任がなくなるわけではありません。つまり、家族に大きな迷惑をかけてしまいます。家族に支払い能力がないということになれば、家族も破産しなければならないという事態になることもあります。

また、破産後、免責されるまでの間は、士業、警備員等の職業に就けなくなります。

大学卒業後、結婚ということになった場合にも、自己破産していることが足かせにならないとも限りません。マイホームを購入したいと思っても、期間が経過するまでは住宅ローンを組むことができません。

借りる前に知っておくべきこととは?

延滞者の5人に1人は「返すものである」ことを知らなかった!というショッキングなデータがあります。

日本学生支援機構の平成26年度奨学金の返還者に関する属性調査結果によると、奨学金を申請時に実際に書類作成等をした者について、延滞者では「奨学生本人」33.6%と「本人と親等」19.7%の合計は53.3%で、約半数の者しか申請時の書類作成に本人が関わっていない。無延滞者では「奨学生本人」55.4%と「本人と親等」22.3%の合計は77.7%となり、4分の3の者が申請時の書類作成に本人が関わっている。

延滞者では本人が書類を作成しているケースが3割程度ということになります。本人が主体的に関わっていない場合は、関わっている場合に比べて延滞となる傾向があることが数字となって現れています。

延滞者では「申込手続きを行う前」に返還義務を知った者は、過半数以下の49.5%であるのに対し、無延滞者では90.3%で無延滞者の方が40%以上高い。一方、貸与終了後に知った者は、延滞者では合計で19.8%となり、無延滞者の1.0%に比べて18.8%高い。延滞者は無延滞者に比べて、申込手続き時点での返還義務の認識が十分ではないことがうかがえる。

延滞が始まった理由(きっかけ)について、平成26年度は、「家計の収入が減った」が69.4%で最も高く、次いで「家計の支出が増えた」41.9%となっており、経済的な状況により返済が困難になってきたことを裏付けていますが、一方で、学生に、奨学金制度への理解や「お金を借りる」しくみへの理解が乏しいことが延滞者が増加している理由ともいえそうです。

経済的な要因があるにせよ、返すべきものであることを知らずに奨学金を利用した結果、返せなくなるケースが多いのは明らかです。

奨学金はあくまで「借金」です。返さなければならないものであること、返せなくなった場合どんなことが起こるのか・・など、借りる前に、本人も、連帯保証人になる親や親族も双方がよくよく内容を承知しておかなければなりません。

関連記事:金融リテラシーとは?子どもの人生を左右する子どもの金銭教育のコツとは?

まとめ

 

現在では、大学生の約半数が奨学金を利用しています。大半が利子付き。月12万円まで借りられることもあり、卒業時に借金が数百

万円という例も珍しくないのが現実です。

平成25年12月に行った調査では延滞者が334,000人にものぼり、奨学金の返済ができないことにより「自己破産」する者も増えており社会問題にもなっています。

その背景には、親世帯の収入減、本人の就職、収入、健康状態など様々な理由はありますが、返すべきものであることを知らずに奨学金を利用した者が約半数もいるというショッキングな調査結果もでています。

日本では、義務教育中も、高校生になっても「お金の教育」を受ける機会が少なく、家庭においても、「お金のことは子どもは知らなくてもいい」という風潮もあり、奨学金制度への理解や「お金を借りる」しくみへの理解が乏しいことも大きな問題であるといえます。

こんなところにも「子どもの金銭教育」の未熟さが影を落としているように思います。

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