財産が多いと相続税がかかりますが、一定の金額までは税金がかからない、非課税となる枠があります。2015年1月1日からはその金額(基礎控除)が約4割減少しました。
この相続税の非課税枠があるため、実際に相続税を支払うのは一部の人に限られます。相続税の非課税枠の金額はいくらなんでしょうか。
また、結果として相続税が非課税であっても申告が必要なケースもあり注意が必要です。その辺りも確認してみましょう。
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相続税の非課税枠(基礎控除)はこの金額
相続税の非課税枠とは?
相続税は、相続した財産が一定金額以下なら相続税はかからないという「非課税枠」があります。相続税の非課税枠のことを「相続税の基礎控除」という場合もあります。
相続税の非課税枠には、次の3つの分類があり
- 相続人の人数によって決まる相続税の非課税枠
- みなし相続財産に適用される相続税の非課税枠
- 相続財産からマイナスできる資産の相続税の非課税枠
この3点から相続税の非課税枠は決まります。
人数によって決まる相続税非課税枠
相続税非課税枠の計算式は以下の通りです。
- 3000万円+相続人の人数×600万円=相続税の非課税枠
相続人が3人いたら、3000万円+3人×600万円=4800万円となります。この場合、相続財産の合計が4800万円以下なら、相続税はかかりません。
みなし相続財産とは
生命保険の死亡保険金と死亡退職金は、みなし相続財産と呼ばれています。被相続人が亡くなった日には財産として持ってはいませんが、死亡を原因として生命保険会社や勤務先から財産を得たとみなされるため、相続財産に含まれます。
死亡保険金と死亡退職金には、それぞれ以下の非課税限度額が設けられています。
- 生命保険の非課税限度額(非課税枠) = 500万円 × 法定相続人の数
- 死亡退職金の非課税限度額(非課税枠) = 500万円 × 法定相続人の数
遺産を放棄した人がいた場合でも、放棄がなかったものとして計算されます。
相続財産からマイナスできる資産の非課税枠
相続税は相続財産の中に借金があれば、相続財産から借金分をマイナスして相続税の計算がされます。
また相続財産からは、お墓や仏壇は除くことができますし、葬儀費用や香典も、相続財産から除くことができます。
相続税の非課税枠の金額は?
相続税の基礎控除額と、生命保険の死亡保険金、死亡退職金の非課税限度額を合計したものが、非課税枠となります。非課税枠は、法定相続人の数が多いほど大きくなります。
非課税でも申告が必要なケースも!?
相続税の申告期限が、死亡の翌日から10カ月以内と意外に早く、葬儀や遺産分割協議に時間を費やしてしまうと、申告要否の判断や申告書の作成に時間が足りなくなることもあります。
税務署に電話して予約し相談に行くのもいいですし、税理士に申告代理を依頼するケースもでてくるでしょう。ただ、自分でも相続税がどう決まるのか、おおまかな流れは押さえておいたほうがいいでしょう。
相続税納税までの流れ
- 各財産を金額換算して合算(相続財産額の算出)
- 債務や葬儀費用などを差し引く(課税財産額を求める)
- 基礎控除(3000万円+相続人の人数×600万円)を差引く
- 相続税の総額を算出
- 申告・納税(死亡日の翌日から10ヵ月以内)
財産額を求めたら、次は故人に借金がないか確認します。債務は葬儀費用とともに財産から差し引くことができます。
こうして求めた金額(課税財産額)が基礎控除以下ならば相続税はかからず、上回れば総額を計算する必要があるということです。相続税の申告書はこうした計算の流れを順番に記入していく仕組みになっていいます。
注意したい非課税でも申告が必要なケース
注意したいのは、小規模宅地の特例をつかった場合。家の敷地の評価額を8割も減らせ、相続財産額を圧縮する効果がありますが、特例を受けるには、相続する子どもが故人と生前に同居し、相続後も住み続けるなど細かな条件があります。
特例により土地評価額を減らせた結果、課税財産額が基礎控除を下回り、税金がゼロとわかり、安心してしまい申告しないケース。
この場合、相続税はかからなくても、申告自体は必要です。また、配偶者の税額軽減の特例を受けるときにも申告は必要です。
まとめ
相続税とは、相続や遺贈によって取得した財産が一定の金額を超えた場合にかかる税金で、国に対して支払います(国税)。
- 相続税は、相続した財産が一定金額以下なら相続税はかからない「非課税枠」がある
- 相続税の非課税枠のことを「相続税の基礎控除」という場合もある
相続税の非課税枠は
- 相続税の基礎控除(非課税枠)=3000万円+相続人の人数×600万円
- 生命保険の非課税限度額(非課税枠) = 500万円 × 法定相続人の数
- 死亡退職金の非課税限度額(非課税枠) = 500万円 × 法定相続人の数
といった式で算出します。
非課税枠は法定相続人の数がポイントになりますので、だれが相続人となるのか?がわかりずらい場合には専門家と相談されるのが良いでしょう。
実際には相続税はかからない場合でも、申告は必要なケースなど注意が必要です。また、相続税がどのように計算されるのか自ら大まかな流れを知り、基礎控除を知ることで、意外に容易な相続税対策が可能な場合もあります。
今後を考える
今回は、相続税の非課税枠についてみてきました。税制改正については、今後もその動向が注目されます。
今の時代、国の年金制度、健康保険制度などをみても、このままでは苦しくなるばかり。何かしら、手を打たないと、と漠然とした不安を抱えている人も増えています。
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