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確定拠出年金はパート主婦にもメリットはあるか?パート主婦が老後も得する裏技とは?

投稿日:2017-08-26 更新日:

2017年から個人型確定拠出年金(愛称:iDeCo)に専業主婦(夫)、公務員、すべての会社員が加入できるようになっています。

1月からスタートした「個人型確定拠出年金の加入者範囲の拡大」によって、これまで対象外だった専業主婦なども加入できるようになったのです。

iDeCoの一番のメリットは税金の優遇制度。中でも掛け金の全額が所得控除になって税金が安くなるのは大きなメリットです。

ただ、専業主婦(夫)もしくはパートで働いている主婦(夫)の方は、そもそも収入がないか、あっても少ないため、所得控除のメリットの恩恵が受けらず、iDeCoに加入する意味があるの?という声もあがっています。はたして、パート主婦にもメリットはあるのでしょうか?

最近の国の施策や方向性、企業の考え方などを考慮すると、専業主婦家庭に対する優遇制度は、廃止・縮小傾向にあるのは間違いないようですが、そんな中パート主婦が老後も得する裏技もお伝えしたいと思います。

確定拠出年金とは

確定拠出年金とは、原則60歳まで毎月一定額を拠出し、加入者自身が株や債券など金融商品を選んで運用し、老後資金を形成する年金制度のこと。確定拠出年金のメリットのひとつとして、手厚い税制優遇がある点が挙げられます。

  • 毎月拠出する掛金は全額が所得控除(小規模企業年金等掛金控除)。
  • 運用益は非課税
  • 年金等の受取り時も退職所得控除等が受けられる。

全額所得控除のメリットを具体的にいうと・・

例えば、毎月2万円、年間24万円拠出すると、所得税率5%なら、所得税1万2000円、住民税2万4000円、合計3万6000円税金が減ります。年利15%の利回りで運用できたのと同じ効果が得られます。

関連記事:「貯蓄・年金・保険」老後に困らない選択シリーズ第二弾!個人年金VS個人型確定拠出年金(iDeCo)!

パート収入の金額別、メリットを確認

配偶者控除が適用されるラインが、いわゆる「103万円の壁」です。
通常、103万円以下で働くと、妻自身の所得税がかからないうえに、扶養者である夫も「配偶者控除」を受けられるというメリットがあります。

収入が103万円を超えると所得税の支払いが発生

パート収入は、通常、給与所得となります。給与所得の金額は、年収から「給与所得控除額」を差し引いて求めます。給与所得控除額は最低65万円ですから、パートの収入金額が103万円以下(65万円+所得税の基礎控除額38万円)で、ほかに所得がなければ所得税はかかりません。
ちなみに、収入が100万円を超えると、住民税の支払いが発生します。

「毎月の掛け金が全額所得控除」のメリットをおさらい

毎月の掛け金が全額所得控除になるということについて具体的にみてみましょう。

例えば、毎月2万円、年間24万円拠出すると、所得税率5%なら、所得税1万2000円、住民税2万4000円、合計3万6000円税金が減ります。年利15%の利回りで運用できたのと同じ効果が得られる・・ということです。

パート収入の収入額別メリット

パート収入115万円だと・・

例えば、パート収入が115万円の方の場合、毎月1万円の掛金を拠出できれば、所得税・住民税合わせて1万8000円の税負担が減ります(106万円以上で社会保険が適用にならないケース)。つまり年間12万円の積み立てができ、1万8000円の税金を取り返せるのです。利回りで考えると15%です。

パート収入127万円だと・・

パート収入が127万円の方は、もし、毎月2万円の掛金を拠出できれば、所得税・住民税合わせて3万6000円の税負担が減ります(106万円以上で社会保険が適用にならないケース)。年間24万円の積み立てができ、毎年3万6000円の税金を取り返せるのです。

パート収入100万円以下の方は・・

ただし、パート収入が100万円以下の方は所得控除のメリットがないので、年利15%の節税効果は実現できません。それでも、『運用益は非課税』『年金等の受取り時も退職所得控除等が受けられる』というメリットは享受できる上、なによりセカンドライフに向けての貯蓄が自動化されることは大きなメリットであるともいえます。

注意点としては、掛金5000円で加入してしまうと、iDeCoでは加入時手数料、毎月の口座管理料、投資信託の信託報酬などコストがかかるため、掛金に対してのコストの割合が大きくなり、iDeCoの恩恵を得られにくい点がありますので、検討材料です。

パート収入130万円超でも!老後も得する裏技とは?

たとえば、専業主婦(国民年金の第3号被保険者)の場合、毎月2万3000円まで積み立てることができる。年間にすると27万6000円。

この掛金は、すべて所得控除できるので、103万円以下にパート収入を抑えたいという人も、103万円+27万6000円=130万円6000円までなら、パートでの実収入が増えても大丈夫ということ。

この27万6000円を30歳から60歳まで30年間積み立てた場合、積立累計額は828万円になります。仮に、1%で複利運用すると965万円になりますが、137万円の値上がり益に対して、60歳時点に一括で受け取れば、税金は一切かからず受け取れるということです。

さらに、運用益が出たとしても、退職所得控除が適用になります。退職所得控除というのは、会社員が退職金を受け取る際に適用されるもの。その計算方法は、年数ごとに20年目までは1年あたり40万円、それ以降は同70万円となっているので、仮に30年間積立を続けると1500万円までなら非課税となるという計算です。

つまり、個人型確定拠出年金(愛称:iDeCo)を活用すれば、これからはパート主婦でも自分名義の年金・退職金作りができるというわけです。

しかも、税制の優遇を考えたらいまのところ、老後の積立にはイチオシの金融商品といえます。月2万円程度なら、旦那さんに内緒で貯金しているという方も多いのでは?

今後は、税制優遇を受けながら、将来の老後資金作りに活かしてみてはいかがでしょうか。

関連記事:【配偶者控除】女性の働き方が変わる?働き損ゾーンを超える年収はどれぐらい?年収201万円超を目指せ!

まとめ

1月からスタートした「個人型確定拠出年金の加入者範囲の拡大」によって、これまで対象外だった専業主婦なども加入できるようになった「個人型確定拠出年金(愛称:iDeCo)」。

確定拠出年金のメリットのひとつとして、手厚い税制優遇がある点が挙げられます。そのうち、毎月拠出する掛金は全額が所得控除(小規模企業年金等掛金控除)になる!という点について、パート主婦にもメリットはあるか?というテーマでお話してきました。

結論としては、パート収入100万円を越えるパート主婦にとっては、金額の大小はあれ大きなメリットがあるということです。

また、税制上のメリットもさることながら、主婦が税制の優遇を受けながら、自分名義の年金・退職金作りができるということの意義は大きいと思います。豊かなセカンドライフの資金作りのために、活用してみてはいかがでしょうか。

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