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ドクターXフリーランス医師は実在する!?フリーランスとはどんな職業?会社員を辞める前に知っておくべき税金・保険のポイントとは!

投稿日:2017-08-17 更新日:

「私、失敗しないので。」米倉涼子主演の大ヒット・ドラマ『ドクターX』。米倉涼子さんが演じる大門未知子は、高い手術スキルを武器に、医局にも病院にも属さないフリーランスの外科医です。

最近増え続けている職業に、「フリーランス」と呼ばれるものがありますが、この「フリーランス」とはどんな職業なんでしょうか?

会社員ではない自由業の人に対して「フリーランス」や「個人事業主」という呼称が使われることがありますが、「フリーランス」と「個人事業主」の違いはあるのでしょうか?

「場所や時間に拘束されず、自由な働き方がしたい」「自分のスキルがどこまで通用するか、試してみたい」など、理由はさまざまですが「フリーランス」という働き方を希望する人が増えてきています。

なんとなく自由で素敵なニュアンスのある「フリーランス」ですが、会社員とフリーランスでは「税金」「保険」も大きく異なります。ここでは、会社員とフリーランスの「税金」「保険」面での違いを確認しながら、会社を辞める前に知っておくべきポイントをお伝えします。

ちなみに、ドラマの中の「神原名医紹介所」のような、医師派遣会社は存在しません。(人材派遣会社が医師を派遣するのは法律で禁止されており、労働者派遣法では「病院・診療所等における医療関連業務(医師、看護師など)は、適用外業務としている。)

ですので、現状のフリーランス医師の大多数は、産休や育休医師の代替要員・僻地医療要員・紹介予定派遣目的といった場合で「スポット・非常勤アルバイトの非常勤医師」というケースがほとんどです。

フリーランスとは?どんな職業なの?

フリーランスとは、企業や団体などと雇用関係がなく、独立して仕事を請け負う人をいいます。実際には1回1回契約を交わすのではなく、一度に長期間の契約を結び、その中で案件ごとの発注書を受け取って業務を開始するケースというケースが一般的です。

以前はフリーランスといえば特別な技術を持った人、たとえば小説家やスポーツ選手、デザイナーのような人が多かったように思いますが、現在はもっと広い分野でフリーランスで活躍する人が増えています。

「フリーランス」とは働き方・契約の仕方を指すことばであり、IT系のプログラマーやWEBデザイナーをはじめ、カメラマンやイラストレーター、ライターや翻訳家などクリエイティブな仕事を中心に多くみられる働き方です。(これもイメージだけでこの限りではありません。)

コンサルタントやファイナンシャルプランナー等もフリーランスで携わる人もいて、職種の限定はありません。

単発で契約を交わすフリーランスは、「自分にあった働き方」を実現しやすい背景もあり、子育て中の主婦や学生、シニア世代からも注目を集めています。

「フリーランス」と「個人事業主」は同じ?違う?

 

会社員ではない自由業の人に対して「フリーランス」や「個人事業主」という呼び方をしますが、フリーランスと個人事業主は「イコール」(同じ)なんでしょうか?

フリーランスと個人事業主では、そもそも前提となる概念が異なり、片方に当てはまる人も両方に当てはまる人もいます。つまり、イコールの人もいれば違う人もいるということです。

個人事業主とは税務上の所得区分で、株式会社や合同会社などの法人を設立せず、個人で事業を営んでいる人をいいます。

法人を設立している場合には売上を法人の事業所得として申告しますが、個人事業主では個人の事業所得としての申告となります。

つまり簡単に言えば、フリーランスのうち、法人を設立している人以外は基本的に個人事業主ということになります。個人事業主として事業を始め、売上の増加に伴って法人化する人もいます。

フリーランスは働き方、個人事業主は税務上の区分ですので、フリーランスといわれる人のうち、個人事業主でもある人は多くいますが、必ずしも「フリーランス=個人事業主」ではないということですね。

会社を辞める前に確認すべきポイント!

労働者は手厚い!?

自由なイメージの強いフリーランスですが、これまで会社に頼っていた面倒な部分、例えば健康保険、年金、税金、契約などについて、すべて自分で引き受けなければなりません。

正社員であれ、契約社員であれ、派遣社員であれ、雇用形態の違いはあっても、法律上は「労働者」となります。労働者は、労働基準法をはじめとする法律に、手厚く守られています。

労働者は経費や設備も含めてすべて会社が負担してくれ、社会保険に関することは基本的に会社が手続きをしてくれます。年次有給休暇をもらって給与をもらいながら休むこともでき、毎月必ず給与収入を得られます。税金や保険料も会社が計算してくれ、自分に代わって納付してくれるので、手間がかかりません。

ただ、その分、時間・場所的な拘束を受けたり、職場の人間関係などが大変だったりという面があることも否めませんね。

フリーランスは「労働者」ではない!?

フリーランスは労働者には当たらず、「個人事業主」となります。(法人化された場合は別。)

経費や設備もすべて自己負担。有給休暇もありませんし、決まった給与もありませんので、いくら長時間働いても収入にならないこともありますし、万が一病気や怪我で働けなくなっても「労働者」に比べて保障が手薄です。

フリーランスは売り上げから経費を引いたものが事業所得となりますが、税金を自分で計算し、確定申告をする必要があります。

税金・保険面を自分でやらなければならなくて大変!というイメージもありますが、実力次第では会社員時代には考えられなかったお金を得ることも可能であり、好きな仕事が自分の裁量でできるという魅力もあります。

メリット、デメリットをトータルで考えて、「自分らしい働き方」の選択をしていくことが大切です。

保険・税金!フリーランスと会社員の違いのまとめ

社会保険と税金面で、大まかにフリーランスと会社員の違いを整理すると次のとおりです。

フリーランスの社会保険

 フリーランス会社員
公的年金国民年金国民年金と厚生年金
保険料全額自己負担会社と折半
健康保険国民健康保険健康保険組合、全国健康保険協会
保険料全額自己負担会社と折半
雇用保険
保険料会社と折半
労災保険
保険料会社が全額負担

会社員は、健康保険、厚生年金、労災保険、雇用保険の4つの社会保険に会社が加入しています。保険料も、健康保険と厚生年金は折半で、労災保険は全額、雇用保険も半分以上を会社が支払ってくれています。

フリーランスは労働者ではないので、労災保険と雇用保険には加入できません。つまり、仕事中にケガをしても、育児のために休業をしても、仕事を辞めても、給付を受けることができません。

その分、いざというときのために手元にお金の準備が必要ですし、「就業不能保険」「生前給付保険」など民間の保険で備えることも検討したいポイントです。

関連記事:働けなくなったときに頼れる保険!就業不能保険は必要?不要?役に立つのか検証してみた!

フリーランスの税金

会社員(給与所得者)の税金

納税の方法も違います。会社員は年収ごとに最大220万円まで給与所得控除が認められています。給与所得控除とは、仕事の経費を売り上げ(給料)から差し引けるお金のこと。

給与収入(年収)-給与所得控除=給与所得

この給与所得に対して、税金がかかります。もらったお給料の全額が課税対象ではないのです。

これらは会社が計算して納税しますので、自分でする必要はありません。また、給与所得控除は無条件で認められているので、実際に使っていなくてもOK。ですので、領収書も必要ありません。

フリーランスの税金

一方、フリーランスには給与所得控除がありません。売り上げから経費を引いたものが事業所得となりますが、その計算は自分で行って税務署に確定申告します。

1年間(1~12月)の仕事で使った経費の領収書を保管しておき、その年の売り上げと一緒に申告します。確定申告は翌年の2~3月に行います。帳簿を複式簿記で管理していると「青色申告特別控除」が利用でき、65万円が所得控除されます。

このように、会社員は勤め先が納税してくれますが、フリーランスは自分で計算して納税しなくてはなりません。

フリーランスの税金!

フリーランスという働き方について考える多くの方は「フリーランスになったら、税金や保険料などを自分で管理し申告しなければならない」というように、経理作業を義務であるかのように捉えています。大変なことが増えてしまうイメージですね。

でも、実は、経理を自分で行うことができるというのは、義務であると同時に、フリーランスという働き方にのみ与えられた権利であり、特権でもあるのです。会社員の方には与えられていない権利を行使する、それがフリーランスの税金なのです。

会社員のときにはする機会のなかった「確定申告」や帳簿付け、領収証の管理・保管なども、フリーランスだからこそ受けられる特典を、学び、享受するための作業と発想を変えれば、とても建設的なことともいえるのです。

まとめ

フリーランスは働き方、個人事業主は税務上の区分のこと。

フリーランスとは、企業や団体などと雇用関係がなく、独立して仕事を請け負う人をいいます。単発で契約を交わすフリーランスは、「自分にあった働き方」を実現しやすい背景もあり、子育て中の主婦や、ミドル世代、シニア世代からも注目を集めています。

フリーランスは保険・税金関係を自分で手続きしなければならない点や、会社員と比較して社会保障が手薄になる点などデメリットと思われる一面もありますが、税制面でのメリットもありますし、何より、実力次第では会社員時代には考えられなかったお金を得ることも可能であり、好きな仕事が自分の裁量でできるという魅力もあります。

それぞれの働き方に素晴らしさがありますので、トータルで「自分にあった働き方」を見つけていきたいところです。同じ業務をしているように見えても、働き方によって、メンタリティやお金の流れがガラッと変わります。あなたらしい働き方の選択の参考にしてみてくださいね。

いっしょにがんばりましょう♪

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