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生命保険の支払調書が変更!平成30年1月1日以降の契約者変更は要注意!?

投稿日:2018-04-21 更新日:

2018年1月から、保険会社が税務署に提出する「支払調書」の提出基準と記載内容が変更されました。27年度の税制改正大綱にて閣議決定をされたとき、保険業界はざわついたのですが、その後は大きく取り上げられることもなく、既にひっそりとスタートしています。

実は、生命保険の契約者変更(名義変更)に関する支払調書の改正の影響は意外に大きく、思いの外の贈与税かかかるケースも出てきそうです。今回は、「支払調書の改正の概要」と生命保険の契約者変更の注意点を解説します。

支払調書とは

支払調書とは、特定の支払いをした事業者が、税務署に提出する書類のことで、支払いを受けた者がきちんと申告しているかどうかを税務署が照らし合わせるために利用されます。

生命保険を解約して解約返戻金を受け取ったり、生命保険金や個人年金を受け取った際にも、この支払調書が生命保険会社から税務署へ提出されていましたが、提出基準と記載内容が、平成30年1月1日より変更となっています。

保険に関する支払調書の改正の概要!変わるポイントは2点!

①支払調書の提出基準

改正前

  • 1回の支払金額が100万円を超える保険金、解約返戻金を支払う場合
  • 年間20万円以上の年金等を支払う場合

改正後

  • 現行の基準に加えて、「契約者の変更」の場合が追加

②支払調書への記載内容の変更

改正前

  • 受取人氏名、住所、個人番号
  • 契約者氏名、住所、個人番号
  • 被保険者氏名、住所
  • 保険金額等(又は満期金額、解約返戻金額)
  • 保険料総額(既払込保険料総額)
  • 保険事故発生日、保険金等の支払日

改正後

現行の記載事項に加え、下記の事項の記載が必要となります。

  • 支払時の契約者の直前の契約者の氏名・住所
  • 契約者変更の回数
  • 支払時の契約者の既払込保険料
  • 死亡した契約者の氏名・住所・死亡日
  • 新契約者の氏名・住所
  • (契約者死亡による契約者変更の場合)解約返戻金相当額
  • 既払込保険料
  • 死亡した契約者の既払込保険料

契約者変更で贈与税!?悪意のないグレーゾーン契約は大量に存在!

例えば契約者死亡により名義が変更された場合、本来は死亡した人が払い込んできた保険料で形成された解約返戻金相当額は、「生命保険契約に関する権利」として相続税が課されます。しかし、名義が変更しただけでは税務署が把握できていないため、申告漏れとなるケースがありました。

また、契約者の変更後に死亡保険金、満期保険金、解約返戻金を受け取った場合、本来は変更前の契約者が支払った保険料に対応する受取金は贈与税の対象になります。しかし支払調書には支払時点での契約内容しか記載されていなかったため、やはり、税務署が把握できないという問題がありました。そこで、それらを把握できるようにするための改正と見られています。

一般的によくある契約形態にも贈与税発生!?

一般的によくあるのが、親が子のために掛けていた生命保険を子の結婚を機に契約者変更し、死亡保険金の受取人を子の配偶者にするケース。被保険者は子のまま、契約者と満期保険金受取人が親から子本人に代わり、死亡保険金受取人は親から子の配偶者に代わります。

2018年の改正以降は、こうした変更をすると、受け取る死亡保険金、満期保険金の一部が確実に贈与税の対象となります(親から子または子の配偶者への贈与と見なされる)。

自らの意志で解約する場合は状況も把握可能ですが、死亡保険金の場合は、既払い保険料ではなく、保険金が贈与税の対象となるので、想定外の贈与税が発生するといったケースも今後増えてくるものと思われます。

考え方と対処法

保険料は生活費でも養育費でもありません。親から子へのまぎれもない贈与ですので、税法上贈与税の対象になるのは本来当然と考えるべきです。

そう考えた上で、一つの対処法として、契約者変更をせずにそのまま継続し、満期前に親が死亡したらそこで契約者変更を行って、その時点の解約返戻金相当額を全て相続財産として申告するるという方法があります。贈与税で処理する場合に比べて納税額が減るケースは少なくありませんので検討の余地ありといったところでしょうか。

まとめ

今回の改正は、平成30年1月1日以降に生じる契約者変更より適用されます。また、今回の改正は、あくまで支払調書に関する改正であり、税金の取扱いはこれまでと何も変わりません。

生命保険の契約者変更(名義変更)はまぎれもない贈与であることを認識し、正しく申告していれば恐れることはありませんが、親が子どもに親心でかけていた保険が、思いの外の贈与税を発生させることにもなりかねません。

いま一度、保険証券を確認し、契約者、被保険者、受取人を確認される機会にしてもらいたいと思います。

今後を考える

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