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出産前に念のため申請すべき限度額適用認定証!出産一時金と併用できる!?

投稿日:2017-10-24 更新日:

厚生労働省が公表した2016年の人口動態統計(速報値)によると、1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数「合計特殊出生率」は1.44となり、前年から0.01ポイント低下。出生したときの母親の平均年齢をみると、2013年においては、第1子が30.4歳と晩産化もすすんでいます。

高齢出産であればあるほど、妊娠中のリスクは高くなる傾向にあるため、妊娠から出産までのトラブルに不安がないわけではありません。その上、そういったトラブル発生時の急な出費も不安材料に。

急な病気の場合で医療費が高額になった場合に安心の『限定額適用認定証』ですが、実は、妊娠、出産時のトラブルでも適用されるケースがあります。妊娠したら念のために申請しておきたい『限定額適用認定証』のポイントと出産一時金との併用についてお伝えしていきます。

限度額適用認定証とは?

病気や怪我などで医療費の負担が大きくなった時のために、健康保険には「高額療養費制度」が用意されています。しかし、高額療養費制度による医療費の払い戻しは、ほとんどの場合は申請作業が必要なため、自分が制度の対象であることも知らずにそのまま放置されている例も少なくありません。

急な入院などで、これから高額な医療費がかかることが分かっている場合には、まず「限度額適用認定証」を取得しましょう。

「限度額適用認定証」を病院の窓口に提示すれば、請求される医療費が、高額療養費制度の自己負担限度額までとなります。支払う医療費を減らすことができますし、あとから払い戻しを申請する手間もかかりません。

「限度額適用認定証」はどこへ申請すればもらえるの?

「限度額適用認定証」は、各健康保険の窓口に申請をして発行してもらいます。

  • 国民健康保険
    自分が住んでいる市区町村の国民健康保険の窓口へ申請します。
  • 協会けんぽ
    健康保険証に「全国健康保険協会(協会けんぽ)」と書かれている場合は、協会の各都道府県支部に申請します。
  • 組合健保
    健康保険証に「~健康保険組合」のように、企業や事業単位の健康保険組合の名前が書かれている場合は、その健康保険組合が窓口になります。

使用する際には、病院の窓口で保険証と一緒に提出します。

妊娠中のトラブルは突然やってきます。いざという時のために妊娠したら念のため『限定額適用認定証』の申請をしておくと安心ですね。

どんなときに使えるの?

出産は病気ではないため、妊婦検診、出産費用も保険診療ではありません。

しかし妊娠、出産のトラブル時、たとえば、つわり、切迫流産、子宮頸管無力症、切迫 早産、前期破水、吸引分娩、帝王切開などのための医療は保険診療の対象になります。

保険診療が高額になった場合、高額療養費制度の対象となり、『限度額適用認定証』を利用することができます。

ただし、差額ベッド代金、食費、先進医療にかかる費用は保険診療の対象外となりますので、利用できません。

「限度額適用認定証」の利用で知っておくべきこととは

  • 2つ以上の病院に同時にかかっている場合は、病院ごとに計算します
  • 同じ病院でも、内科などと歯科がある場合は、歯科は別に扱います
  • 1つの病院・診療所でも通院と入院は別計算です
  • 入院中の食事代や保険がきかない室料、差額ベッド料および歯科の自由診療等は、支給の対象外です

これらは、高額療養費制度と同じ条件です。したがって、1カ月の医療費が、いつも自己負担限度額以下になるわけではありませんのでその点は心に留めておきましょう。

時期を選べる入院・手術の場合には月をまたがないように多少なりともコントロールすることも可能ですが、妊娠・出産に伴うトラブルは急にやってくるものです。いざ支払いになって思っていた金額と違う!と慌てないためにも、制度の内容は把握しておきましょう。

「出産育児一時金」と併用できる?

結論からいうと、「限度額適用認定証」と「出産育児一時金」の併用はできます。

一般的な「傷病(病気や怪我のこと)」で医療機関を受診すると、医療費のうち3割だけを自己負担で支払うことになります。これは健康保険の「療養の給付」が医療機関に給付されるためです。

しかし、出産(正常分娩)は、「療養の給付」が支払われません。なぜなら、正常分娩は「傷病」ではないため「療養の給付」の対象とならないからです。

その代わりに、高額な出産費用の負担を軽減するため「出産育児一時金」の制度があります。これにより出産した時に42万円が健康保険から支給されます。

帝王切開などの「異常分娩」の場合には、「傷病」に該当し、治療目的で診療した部分の費用については「療養の給付」の対象となるのです。

つまり、「異常分娩」の場合、

  • 「療養の給付」と「出産育児一時金」の両方が支給される
  • 手術を伴う帝王切開などの「異常分娩」の場合は、通常、医療費が高額となるため高額療養費制度も使える
  • 限度額適用認定証を受けていれば、限度額適用認定証と併用が可能

という流れになります。

限度額適用認定証と出産育児一時金の併用の仕方は2通り

出産育児一時金の申請方法は2通り。

  • 「直接支払制度」または「受取代理制度」を使う場合
  • 「出産育児一時金申請書」で申請する場合

「直接支払制度」と「受取代理制度」は、出産育児一時金を本人ではなく医療機関に支給する仕組みです。これにより、退院時は、一時金(42万円)を超えた部分のみ、自費で支払います。

直接支払制度・受取代理制度と限度額適用認定証で申請

  1. 健保組合から「健康保険限度額適用認定申請書」をもらい、必要事項を記入して健保に提出する。
  2. 入院時に「限度額適用認定証」と「健康保険証」を医療機関に提出する退院の際に、窓口で、医療費から「一時金」と「高額療養費」を差し引いた部分を自己負担で支払う。
  3. (窓口負担が0円だったら)健保組合から「出産育児一時金差額請求書(出産育児一時金等内払金支払依頼書)」をもらい、必要事項と記入して、添付書類(領収証など)と併せて健保に提出する。
  4. 窓口負担が0円ということは、42万円の出産育児一時金に余りがありますので、保険組合に申請して、余り分を支給してもらう。

出産育児一時金と限度額適用認定証で申請する場合

  1. 健保組合から「健康保険限度額適用認定申請書」をもらい、必要事項を記入して健保に提出する
  2. 出産時に「限度額適用認定証」と「健康保険証」を提出する
  3. 退院の際に、窓口で、自費分(保険外診療分)と自己負担限度額までの合計額を支払う
  4. 健保組合から「出産育児一時金等支給申請書」をもらい、必要事項と記入して、添付書類(領収証など)と併せて健保に提出する。

結局どの方法がいいの?

たとえば、帝王切開による費用はかなり高額になります。そのため、事前に帝王切開になるとわかっていれば、必ず、直接支払制度(受取代理制度)と限度額適用認定証申請を行いましょう。

どの方法が損か得か?と気になる方もあるかもしれませんが、結論としてはどの方法も受取方法が違うだけであって、いずれも出産育児一時金なのですから、直接払いを受けるか、後日受給するかによって差が出ることはありません。

ご自分の状況にあった方法で受け取られればいいと思いますが、出産後、書類を揃えたり申請したりは気持ちと体調的に大変だったという声も聞きますので事前に申請しておくのがおすすめです。

まとめ

  • 健康保険には、病気や怪我などで医療費の負担が大きくなった時のために「高額療養費制度」がある
  • 病院の窓口に提示すれば、請求される医療費が、高額療養費制度の自己負担限度額までですむ「限度額適用認定証」制度がある
  • この制度は健康保険に入っている70歳未満の方ならだれでも申請可能

妊娠・出産時のトラブルにも利用できるので、妊娠がわかったら、念のため「限度額適用認定証」の申請をしておくのが安心です。

出産育児一時金との併用も可能で、「直接支払制度」と「受取代理制度」を利用する場合には、出産育児一時金を本人ではなく医療機関に支給する仕組みのため、退院時は、一時金(42万円)を超えた部分のみ、自費で支払えばよいということ。

それでも、個室代(差額ベット代)、食事代などは健康保険の適用外のため個室を利用する場合には10万~の支払いは必要になるケースもあります。

産後、退院時にまとまったお金の支払いに慌てることのないように、事前に手続きしておくと安心です。

なお、妊娠、出産のトラブルによる入院・手術をした場合で、個人で生命保険の入院・手術特約、医療保険などに加入されている場合には、手術給付、入院給付を受けられる可能性が高いので、加入の保険会社に確認してください。

今回の手続きに限らず、申請しないともらえないお金、申請すれば利用できる制度などがたくさんあります。情報も大切ですね。

今後を考える

これからの時代、なんとなく過ごしているだけでは苦しくなるばかり。制度も「知る」ということが大事ですね。

そんな中、何かしら手を打たないと、と漠然と感じている人も増えています。

あなたはいかがですか?

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